私の漫画作品で、平成2年6月2日号の集英社「ぶ〜けせれくしょん」に掲載された
62ページの読み切りのストーリー漫画「Alle gra mente」というのが有る。
外国語セミナーの同期の3人、男子2人女子1人が社会に出てそれぞれの道で葛藤しながらも
成長して行く様子を描いているのだが
これを描いていた頃の私はアルバイトをしながら漫画を描いていて、いつもくたくただった。
バイトはいつまで続けなくちゃいけないのかと不安も抱えていた。
当時、そんな心持ちでアルバイトをした帰り道、
マガジンハウスの「Olive」を買って電車に乗った。
「Olive」は貧乏な時も買い続けた大好きな雑誌だった。
ページを開くと、かわいらしく夢あふるるおしゃれな世界がひろがって、思わずにっこりしてしまう。
にやにやしながらパラパラとページをめくると
「おや?」
と、見覚えのある雰囲気の写真が....
その写真を良く見れば、私の描いた漫画の主人公にそっくり!
さらに良く見ると、私の名前が載っている!
どどどど、どういうこと〜〜!??
なんと、私の漫画を手本にスタイリングしたモデルさんが
私の漫画と同じポーズをとっているではないか!
そして私の漫画も紹介されている!
漫画の主人公をイメージしたスタイリングを紹介したページだったのだが
まさか、自分の漫画が採用されるなんて夢のような出来事だった。
しかも、大好きな岩館真理子さんや高野文子さんも同じ特集ページで紹介されていて
なんという光栄!!
そしてこの時の私のキャラクターに扮したモデルさんのスタイリングが大森仔佑子さん!
あまりの嬉しさに大森さんに手紙を出したほどです。
後々、大森さんにお会いしてその時の事をお話したら
「あれは雨月さんへのラブコールだったのです」
とおっしゃって下さって
とっっっても嬉しかったのを今でも鮮明に覚えております。
で、そのときのスタイリングの手本になったのがこの
「Alle gra mente」という作品の扉の絵なのです。
で、その「Alle gra mente」が収録された単行本が1992年2月に発売されたのだが
どうやら今は絶版になっているらしい。
らしいと言うのは、出版社からも当時の編集者からも「あれ絶版になりましたから」
なんて話は知らされてなく、ネット通販の本屋には「入手不可」と表示されていたため
どうやら絶版らしいと推測されるのであります。
これがその単行本の表紙です。
しかし、その入手不可の「Alle gra mente」が買えるところもちらほらあるみたいで
定価390円のそれが最高価格1,900円で
amazon で売られていました!
これはやはり絶版力なのでしょうか?
単行本「Alle gra mente」には他に3本の読み切りストーリー漫画
「蓮華のうた」
「情緒不安定だわ」
「解放」
が収録されております。
この中の「解放」の続編「上昇」というのがあるのですが、
これは単行本になっていないため今となってはご覧いただけないのですが、
何かの形でいつか見ていただきたいものです。
他に単行本化されていない読み切り長編ストーリー漫画は数多く、
今、それらの自分の作品を読んでみたら、正直面白かった!
あの作品たちもいつか何かの形でもう一度お披露目したいものです。
一話完結の8ページ短編ストーリーの連載も「ぶ〜けデラックス」でしましたが
あれも単行本には至りませんでした。
我が身を削って描いたその名も「痛い」っていうタイトルなんですけど。
あれ、結構好きでしたねえ。