- 2015.06.28 Sunday
映画「私の少女」ペ・ドゥナ主演(ネタバレあり)
先週久しぶりに映画を見た。
シネマテークたかさきで上映していた
「私の少女」
主演のペ・ドゥナが好きなんですよ。
「空気人形」で可愛らしくも悲しみを含んだファンタジックな人形の役で初めて見て
好きになった女優さん。
丸顔で大きな目にスラーっとしていて声が低い。好みのタイプ。
今回は生身の人間。
スッピンと思われる飾り気の無い少年みたいなぺ・ドゥナ演じるエリート警官ヨンナム。
びしっと着こなした警官の制服姿はかなりキマっている。
私服のさらっと柔らかいシャツと細身のパンツ姿が長身の彼女にぴったりに合っていてこちらもカッコいい。
アクセサリーも化粧もよけいな物が無くてもいいのだよね。美人はね。
そんなヨンナムは何か問題を起こして田舎にとばされ、所長として働く事に。
過去に何かある女は憂いがあって深みがある。それを押さえた演技でじんわり漂わせる ペ・ドゥナが、いい。
そこでキム・セロン演じる、汚れてぼろぼろに傷ついた少女ドヒに出会って物語が始まる。
少女は家族から虐待を受けていた。
痛々しい場面が辛かった。
虐待に耐え、それに慣れ、自ら自分を傷つけるまでに至ってしまった少女に
正義の味方のヨンナムが手を差し伸べるのだが
しばらく大人しく田舎にいれば元の都会のエリート警官の職場に戻れるはずだった。
ところが、少女を虐待していた父親とすったもんだあって、
そこへ昔の彼女がやって来て問題発生。
え、彼女ってヨンナムの彼女かい!?
実はペ・ドゥナ演じるヨンナムは同性愛者なのだった。
それでここまでシンプルな少年のようなカッコなのか……
そんなもんだから、少女への性的虐待の濡れ衣までかぶせられ
あげくにブタ箱入り。
よかれと思った行動が、裏目裏目に入り込む、
田舎の負のコミュニティーブラックホールに吸い込まれて行く……
ヨンナムはただ。少女を助けたかっただけなのに。
だがこの少女、ただただかわいそうなだけではなかった。
ヨンナムの部下が最後の方で確かこんなような事を言っていた
「僕にはあの少女が時々魔物のように見える」
そう、まさに小悪魔。いや、小ではない、悪魔と言っていいぐらい。
大好きなヨンナムを助ける為に手段は選ばない少女だった。
怖かったな。キム・セロン。
父親があんな目に……(あんな目にあって当然だが)
そしてあのあばあちゃんがあんな事に……
(こちらも当然の報いと言っても過言ではないのだ)
追い込まれて極限にまで来ると、どうにか逃げ道をあんな風に
自分で作り出しちゃうんだね、人って。
そんな怖い部分も含め、受け入れて「一緒に行く?」と言うラストには
少女の救われた気持ちがこちらにも伝わりほっとする。
しかしその反面、
これからどうなっていってしまうのか
とても危うい二人なのだった。
これが初監督作品だっていうから次のチョン・ジュリ作品がスゴく楽しみ!
女性ならではの感性が生み出す繊細で美しいシーンが詰まっていて
辛い場面でも観ていられるのです。
ラストに流れる唄がまた随分とよかったな。
音数が少なく、とてもゆっくり ぼそ ぼそ とつぶやくような歌声。
やさしさと安堵と不安が柔らかく漂うような気持ちのよい音楽で
心地よく涙が流れて来た。
あの曲は誰のなんて曲だろう?
HP調べたけど解らなかったな。
とにかく、いい映画だった。
そしてペ・ドゥナはスッピンでもかわいいのだよ。
余談だが、ペ・ドゥナって志村正彦くんに似ている。あ、だから好きなんだな私。
そしてキム・セロンが山内総一郎くんにそっくり。
二人フジファブリックだ!という楽しみ方もできた。
あ、忘れていたけど、この日は「私の少女」を見る前に
FM群馬の番組「ユウガチャ」でプレゼントしてもらった映画のチケットで
「騒音」(関根勉監督)を観に行ってました。
それでたまたまペ・ドゥナ主演作品上映中なのを知り
これは絶対見たい!と思い、急遽「私の少女」を観たという経緯でした。
そのおかげで「騒音」の内容は
すっかり記憶の彼方にいってしまいましたとさ。
おしまい。
シネマテークたかさきで上映していた
「私の少女」
主演のペ・ドゥナが好きなんですよ。
「空気人形」で可愛らしくも悲しみを含んだファンタジックな人形の役で初めて見て
好きになった女優さん。
丸顔で大きな目にスラーっとしていて声が低い。好みのタイプ。
今回は生身の人間。
スッピンと思われる飾り気の無い少年みたいなぺ・ドゥナ演じるエリート警官ヨンナム。
びしっと着こなした警官の制服姿はかなりキマっている。
私服のさらっと柔らかいシャツと細身のパンツ姿が長身の彼女にぴったりに合っていてこちらもカッコいい。
アクセサリーも化粧もよけいな物が無くてもいいのだよね。美人はね。
そんなヨンナムは何か問題を起こして田舎にとばされ、所長として働く事に。
過去に何かある女は憂いがあって深みがある。それを押さえた演技でじんわり漂わせる ペ・ドゥナが、いい。
そこでキム・セロン演じる、汚れてぼろぼろに傷ついた少女ドヒに出会って物語が始まる。
少女は家族から虐待を受けていた。
痛々しい場面が辛かった。
虐待に耐え、それに慣れ、自ら自分を傷つけるまでに至ってしまった少女に
正義の味方のヨンナムが手を差し伸べるのだが
しばらく大人しく田舎にいれば元の都会のエリート警官の職場に戻れるはずだった。
ところが、少女を虐待していた父親とすったもんだあって、
そこへ昔の彼女がやって来て問題発生。
え、彼女ってヨンナムの彼女かい!?
実はペ・ドゥナ演じるヨンナムは同性愛者なのだった。
それでここまでシンプルな少年のようなカッコなのか……
そんなもんだから、少女への性的虐待の濡れ衣までかぶせられ
あげくにブタ箱入り。
よかれと思った行動が、裏目裏目に入り込む、
田舎の負のコミュニティーブラックホールに吸い込まれて行く……
ヨンナムはただ。少女を助けたかっただけなのに。
だがこの少女、ただただかわいそうなだけではなかった。
ヨンナムの部下が最後の方で確かこんなような事を言っていた
「僕にはあの少女が時々魔物のように見える」
そう、まさに小悪魔。いや、小ではない、悪魔と言っていいぐらい。
大好きなヨンナムを助ける為に手段は選ばない少女だった。
怖かったな。キム・セロン。
父親があんな目に……(あんな目にあって当然だが)
そしてあのあばあちゃんがあんな事に……
(こちらも当然の報いと言っても過言ではないのだ)
追い込まれて極限にまで来ると、どうにか逃げ道をあんな風に
自分で作り出しちゃうんだね、人って。
そんな怖い部分も含め、受け入れて「一緒に行く?」と言うラストには
少女の救われた気持ちがこちらにも伝わりほっとする。
しかしその反面、
これからどうなっていってしまうのか
とても危うい二人なのだった。
これが初監督作品だっていうから次のチョン・ジュリ作品がスゴく楽しみ!
女性ならではの感性が生み出す繊細で美しいシーンが詰まっていて
辛い場面でも観ていられるのです。
ラストに流れる唄がまた随分とよかったな。
音数が少なく、とてもゆっくり ぼそ ぼそ とつぶやくような歌声。
やさしさと安堵と不安が柔らかく漂うような気持ちのよい音楽で
心地よく涙が流れて来た。
あの曲は誰のなんて曲だろう?
HP調べたけど解らなかったな。
とにかく、いい映画だった。
そしてペ・ドゥナはスッピンでもかわいいのだよ。
余談だが、ペ・ドゥナって志村正彦くんに似ている。あ、だから好きなんだな私。
そしてキム・セロンが山内総一郎くんにそっくり。
二人フジファブリックだ!という楽しみ方もできた。
あ、忘れていたけど、この日は「私の少女」を見る前に
FM群馬の番組「ユウガチャ」でプレゼントしてもらった映画のチケットで
「騒音」(関根勉監督)を観に行ってました。
それでたまたまペ・ドゥナ主演作品上映中なのを知り
これは絶対見たい!と思い、急遽「私の少女」を観たという経緯でした。
そのおかげで「騒音」の内容は
すっかり記憶の彼方にいってしまいましたとさ。
おしまい。
『私の少女』、私も同感です。
実は、私も『空気人形』からペ・ドゥナびいきになり、
作品はほとんど観ましたが、本作は3回観ました。
最後の雨と、あの歌がいいですね。
”シネマテイクたかさき”は、『リンダリンダリンダ』以来、ペ・ドゥナとは深い縁のあるミニシアター、
たかさき映画祭の舞台にも上がったことがありますね。
昨秋”Tokyo Filmex”で来日し、高崎以来5年ぶりに
ファンの前に元気な姿を見せてくれました。
とても、気さくな性格の、チャーミングな女優さんでした。